第3章 一夜が明けて
「そうですよ。」
「…言っとくけどさ」
鬼灯様にそう言って、白澤さんが私を引き寄せた。
「……っ」
焦る鬼灯様を無視して、私の首筋に鋭いキスをする。
「はくっ、たく、さん…」
痺れるような感覚。拒もうとする私をそのままに、耳元で聞こえたのは、
「僕、ひいろのこと、本気で好きなんだよ」
という、真面目な声。
こんな白澤さん、知らない……。いつもふざけている姿とは全然違う。
混乱する私を、鬼灯様が引き寄せた。そのまま引っ張って行こうとする鬼灯様を、白澤さんが呼び止める。
「鬼灯」
「…………」
「ひいろは、お前なんかに渡さないから」
その声にも、鬼灯様が私を引っ張る手を放すことは無かった。
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