• テキストサイズ

心に灯すのは【鬼灯の冷徹】【裏】

第3章 一夜が明けて


第一、いつもすぐ放してくれる…はずだった。

「白澤、さん……?」

腕を回して、私をぎゅっと後ろから抱きしめたまま、白澤さんは動こうとしない。

「もう少しだけ、このままでいい?」

そう耳元に囁かれたのは、いつもとは違う、少し掠れた声で。

少しだけ、回された腕の力が強くなる。

急に白澤さんのコトを意識してしまって、鼓動が早くなる。今までこんなことなかったのに。

私の耳元に、首筋に、白澤さんの吐息を感じる。

「白、澤さんっ……」

動揺してなにか話そうとすると、また少し、白澤さんの抱きしめる力が強くなる。

これ以上動揺したら、私は……。

そう思った、次の瞬間。

ガラガラ。

「こんにちは。視察に来ました」

扉が空いて、鬼灯様の声がした。
/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp