第3章 一夜が明けて
私が身支度を終えたころ、鬼灯様はもうすっかり準備が出来ていた。
「行きますよ。」
「はい!」
慌ててバッグに、メモ用の紙やペンなどを押し込む。いろいろ詰め込んだけど、丈夫なバッグだから平気かな。
鬼灯様はもう歩き出していると思ったら、止まって私を待っていてくれた。
「お待たせしました。すみません、遅れちゃって……。」
「大丈夫ですよ。さぁ、行きましょうか」
思ったより優しいんだな……
些細な仕草にも、嬉しくなってしまう。
出会ってからまだ二日ぐらいなのに。鬼灯様へのこの想いは憧れ…なんだろうか。