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さよならは笑顔で...

第1章 平凡な生活





一番隊まで行くと、名前はしらないが一番隊副隊長が私を迎えた。

副隊長の後ろを着いて行き、大きく『一』と書かれた扉の前で止まった。



「ここで。」

待っていろと言うことらしい。

何故私がこんな事に.......。

再び溜息を吐きそうになり、グッと息を止める。

唯でさえ少ない幸せだ。



暫くして中から低く太い声が聞こえた。

ギギギと扉が開き、副隊長に背中を押されその中に入った。

部屋の奥には総隊長の姿、他の隊長達は6人ずつ内側を向き合う様にして並んでいる。

初めて見る隊長の姿も見えるが、特に気にしないで総隊長を見た。



「お主が鎖深月狐珀じゃな。」

威圧ある風貌に似合った声だ。

私は小さく頷いた。

細い目が開かれ、その強い瞳が私を捉えた。



「うむ。確かに。」

何かに納得したように頷く総隊長。

それに反応したように浮竹隊長が言葉を発した。




「鎖深月。正直に話してくれ。」

何をと言いそうになったが、声には出さなかった。

さっきから一体なんなんだこの人達は。

消えかけていたイライラが再びやってくる。




「お前は何で隊士をしているんだ?」

その言葉に一瞬キョトンとした。

そんな事聞くために呼んだのか、この人達は。

私の時間を返してくれ。


そんな思いを耐えながら、1つ息を吐き口を動かした。



「それ以上の力がないからです。」

私の答えが不満だったのか、総隊長が霊圧を上げたのがわかった。

何処からその感情が出てきて、その霊圧を出せるのか。

たかが隊士一人にそこまでしなくてもいいだろう。


胸に締まっておいた溜息が、無意識に外に出た。


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