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さよならは笑顔で...

第1章 平凡な生活





「...ご用件は何でしょうか。」

溜息をした事で若干冷たくなった空気を無視して、私は総隊長を見据えた。

お互い睨み合っている様な状態のこの時だが、とりあえず早くしろと思っている。

それに気づいたのか気づいていないのか...総隊長は椅子から立ち上がり私の方にゆっくりと歩き出す。




と思ったときには耳元でシュッと風を切る音がした。

キラリと光る銀色の刃は私の首に当てられている。





「ほぅ....避けぬとはの...。」

1000年以上生きている総隊長だが、何時まで経っても総隊長の席を譲らない意味が分かったような気がした。

やはり、強いのだ、この方は。

怖いとは思っていないが、心の中でそう呟いた。




「殺す気は無かった様なので。」

面白そうに目を細めた総隊長を只見つめ、小さく言った。

刀を下ろして杖に変えた総隊長は、大きな手を私の頭に乗せ息を吐いた。



「これは中央四十六室からの命じゃ。」

息を吐いたその口から出たのは、とんでもない言葉で。

それこそ少々呆気に取られた。




「お主を隊長に任命する。」

その次に出た言葉に、私は再度溜息をしたのだ。




私は、普通に暮らしたい。



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