第3章 第三章 光と影
事は早く進んで、私と更木隊長は竹刀を片手にお互い向き合っていた。
隊士たちは、少し離れて私達を見ている。
「どちらかが膝をついたら負けです。」
「んなことわかってらぁ!!」
「....では。」
竹刀を両手で握り、更木隊長に向ける。
真剣ではない。
死ぬことはないだろう。
『初めっ!!』
真正面から襲ってくる竹刀を軽く避ける。
ビュンと、風を切り今度は上から振り下ろされた。
ガキンッと互いの竹刀がぶつかりあい、音を立てた。
上からの重みが体に負担をかける。
一太刀が重い....。
腕に力を入れ、刀を弾き返し間合いを取る。
「どうした?怖ぇのか?」
「....いいえ。やはり強いなと思いました。」
「はんっ!!そうかよ!!!!」
横腹を狙った太刀。
軽く上に飛び、その竹刀の先に乗る。
右手で持っていた竹刀を左に持ち替え、更木隊長の横肩にいれた。
スタッと地に足をつき、構える。
更木隊長の肩からは止めどなく赤い血が流れた。
「....やるじゃねぇか!!一太刀で傷をつけた奴は初めてだぜ!!」
目がギラギラとする。
楽しんでいるようだ。
前、後ろ、横。
様々な攻撃を防ぎ、仕掛け。
お互い一歩も引かない戦いだ。
....しかし、もう時間がない。
「終わらせましょう。」
私は足に力を入れ、更木隊長に正面から向かう。
口角をあげて更木隊長も応えてくれた。
「THE ENDです。」
力任せに更木隊長を押し倒し、その首に竹刀の先を向ける。
笑ったままの更木隊長に私も少し笑った。
「面白かったぜ!!」
「....はい。」
久々に、楽しかった。