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さよならは笑顔で...

第2章 番号を背負わない隊長



三番隊隊舎前に私はいる。

2年か3年ほど前に、反逆者がいた隊だがその時私はまだ真央霊術院に居た為詳しくは知らないが...。

とりあえず、自己紹介だけして帰ろうと敷地内に足を入れた。


隊主室の扉を軽く叩くとギギと音を鳴らして扉が開く。

顔を出したのは、金髪が目立つ男性だ。



「あ、どうぞ。」

私の顔を見て一瞬止まり、直ぐに部屋に通された。

部屋の中に入ると金髪の男性は、どこかに消える。



「おー、君かぁ。俺は五番隊隊長の鳳橋楼十郎。」

こちらも色素の薄い金髪のカールがかった長髪。

護艇十三隊には金髪が多いなと思ってみた。

その場から動かない私は大きな緑色のソファーに座る様に促され、仕方なくそのソファーに座る。

案外ふかふかだ。


暫く五番隊隊長と談話していると、お盆を持った副隊長が現れテキパキと私の前にお茶と和菓子を置く。

その様子をジッと見ていると、彼と目が合う。

すると何故か気まずそうに目を逸らされた。


…またか、と息を吐く。



「吉良くんの入れるお茶は美味しいんだ。」

鳳橋隊長はそう言うとズズっと音をたてて飲む。

誰が入れても同じだと思った事は秘密にしておこう。


私も彼、吉良副隊長のいれたお茶を飲んだ。

ふむ、確かに美味しい。



「あ、僕は吉良イズルです。」

突然何かと思えば名前だった。

そう言えば聞いてなかったなと息をつく。



「鎖深月狐珀です。」

ソファーから立ち上がり、彼に向かって会釈をする。

彼もまた私に会釈をした。




そのまま、鳳橋隊長に向かってまだ次の仕事があるのでと一言言って扉の方に歩く。

後ろからまた来てねーと今日何度目かの言葉を拾い三番隊を後にした。

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