第2章 番号を背負わない隊長
二番隊を出た私は、もうすぐ昼だと屋根の上で日向ぼっこをしている最中だ。
流石に仕事が面倒で、サボっていると言ってもいい。
「おい、仕事サボって何してんねん。」
寝ていた私に影ができ、上から声が掛かる。
閉じていた目をあけ声をかけた人物を見上げた。
「鎖深月狐珀、やったよな。」
名前くらい覚えて欲しい。
任命式で呼ばれたばかりなのだから。
なんて言う事はなく、私は体を起こす。
「返事くらいしたらどうやー。」
面倒な人だ。
金髪の短い髪に、少し鋭い目。
五番隊隊長 平子真子。
「隊長ー!!もう、仕事の途中で抜け出さないで下さいって何度言えばいいんですか!!」
彼の名前が出て来た所で、後ろから可愛らしい女の子の声が聞こえた。
「おー、すまんすまん。」
反省していない声で謝っている平子隊長を横目に、頭の真上まであがっている太陽を見る。
「あ、...五番隊副隊長の雛森桃です。」
突然自己紹介されて、顔を彼女に向けるとビクッと怯えられた。
.....何故だ。
「お前、目ぇが怖いんや。何も移してない、闇みたいな目や。」
そう言われ、自分の目を触ってみる。
どうにもならないのだけど。
「…闇、か。….....鎖深月狐珀。よろしく。」
よろしくするつもりはないが、一応。
すると小さく頷く雛森副隊長。
まるで朽木副隊長だ。
「三番隊に行かなければならないので。失礼します。」
最後に平子隊長を見て、そこから飛び降りた。
はて、三番隊は何処やら。
クリスマスなのに、クリスマスではない。