第1章 Please see only me.
安心させるようにまたぎゅっと抱きしめられ、耳元にサンジくんの低い声と吐息がかかる。ビクッと身体を震わせれば私の身体を包んでいた腕が解かれて、今度は両頬を包まれる。されるがままにそのまま顔を上げると唇と唇が重なり、煙草の味とレモンティーの味が混ざり合う。
「サ、サンジくん…っ」
たった一瞬の出来事だったのに、長い時間が止まったように感じた。サンジくんは女性が好きだけどここぞと言う時以外、私にも手は出さない。それが今出されたと言うことは、その言葉通り私を思ってくれている証拠だ。
「ちゃんとななしちゃんだけを見てるよ」
「キミをずっと愛してる」
Please see only me.
「…でもあんまりメロリンしないでね?本当は嫌なの」
「ヤキモチを妬くななしちゃんも可愛いなァ〜っ!!」
「ちょ、ちょっと!サンジくん、しーっ!」