第2章 ♡はじまり
「え...?メイド......?」
『お前みたいな貧乏人には縁がなかっただろうが、
この家は見てもらえばわかるように
かなりの名家だ。
もちろん、執事もメイドも沢山雇っている。』
「......」
『どうせ死のうとしてた命なんだろ?
それならその命、この家の、
この俺のために使え。
無論、嫌ならここで死んでもらっても構わないがな』
「あ...えと...」
『どうなんだ?
yesか?noか?』
「あ、その前に...1つだけ聞いてもいいですか?」
『なんだ?』
「どうして...私なんかを、
メイドに、なんて......
こんな、どこの馬の骨かもわからない、
ただの貧乏な女なのに...」
『タイプだったから』
「え!?」
『聞こえなかったのか?
お前、俺好みの顔と身体してんだよ。
普通だったら車の前に飛び込まれても
放置しておくんだが...
まぁお前はとりあえず拾ってやってもいいかなと思った。から助けてやった。』
「あ、ありがとう、ございます...?」
『あと、こうして話して思ったけど
声もいいな。いい声で鳴きそうだし...
あと、性格も意味わからなすぎて
逆に面白みもある。』
「な、なるほど、です...?」
『まぁ言うなればただの興味本位だ。
だが、興味本位だけに
結局つまらない女だったら
好きな時に捨てるがな』
「は、はい...」
『で?』
「え?」
『え?じゃねーよ。
それで、メイドになるのか?ならないのか?』
「えーっと......」
『ちなみに、金に困ってるように見えたが......
ここのメイドになるのなら、
衣食住の心配はいらない。』
「え?い、いいんですか...?」
『当たり前だろう。仮にも
この家に属する者に
汚い格好をされてはシャレにならないからな。』
「......」
最初はなんだと思ったが、
よくよく考えると
もしかしたらめちゃくちゃ
いいお話を頂いているのでは...と
思い始める。