第2章 ♡はじまり
(だ、大丈夫かな...
また誰かにぶつからなきゃいいけど...)
少し不安に思いながら、
彼を見送る。
(でも......このお家に
あんな優しい人がいるんだ...
羊さん、か...またお話できるといいな)
『なーにしてるのー?』
「きゃ...っ!」
急に後ろから声が聞こえてきて
驚き声のした方向をむく。
『君、新人さん?
可愛いねー♪』
声の主はニコニコとしながら
可愛らしい笑顔をむける。
「あ、えっと...
今日からここで働くことになりました、
藤宮 めると申します。
よ、よろしくお願い致します...!」
深々と頭をさげる。
『ふんふん、めるちゃんね!
僕は花臣!時環 花臣!
めるちゃん可愛いなぁー、
僕、めちゃくちゃタイプかも♪』
(あ...花臣さん...
たしか、三男の...)
「あ、ありがとうございます…」
『ねぇねぇ、今何してたの?』
「あ、えと、少しだけ探索に...」
『そうなんだ!
それじゃあ、この家のことをよくわかってる人がいた方が良くない?
僕でよかったら案内するよ!』
「え...い、いいんですか?」
『もちろん!』
ニコッととても可愛らしい笑顔で微笑む。
(月臣さんは、花臣さんのことを
気をつけろって言っていたけど...
どこがだろう...
すごくいい方なのに...)
「じゃあ、よろしくお願いします...!」
少年のような愛らしい笑顔に
安心感を感じながら、
花臣に屋敷を案内してもらうことにした。
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「あ、あの...花臣、さん...?」
『ん?なぁに?』
あれから数十分後...
『探索疲れちゃっただろうから
僕の部屋で少し休もうよ』と、
自室に招き入れられ
促された通りソファに座っていると
横に座った花臣に
抱きしめられながら
首元にちゅ...ちゅ...と
キスを落とされていた。