第2章 ♡はじまり
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『で?なにをそんなに怒っているんだ?
仮にも、メイドの分際で』
シャワーに濡れた艶黒色の髪の毛を
わしゃわしゃと拭きながら
月臣はめるに怒り半ばに問いかけた。
「だからっ...どうして急に
あんなことをしたんですか...っ!
ああいうのは、その...こ、困るというか...」
『あ?なんでもするって言っただろ』
「で...でも、話と違うといいますか...
メイドになるとは言いましたが、
その...あ、ああいうことをするとは
聞いていません...!」
『それは、メイドの意味もよくわかってもいないのに
簡単に承諾したお前の責任だ』
「...う...で、ですがっ...
じゃあ、メイドとは、
その、一般的にも
ああいうことをご主人様にするのも
お仕事なのですか?」
『そんなことは知らん。
ここでのルールに世間一般ではどうとか
そういうことは関係ない』
「う...それは...そう、ですが...」
『それに、さっきも風呂に入る前に説明したが
うちの家のメイドに性的なことを強要したことは1度もない。
別に欲情もしないからな。でも、お前は珍しく抱いてやってもいいと思った。
だからヤリたい時にヤレるメイドをつくっておくのもいいと思ってお前にメイドの話を持たかけたまでだ。
そんな成り行きなのに世間一般のメイドの話をされても
全く話にならんだろ。』
「...でも、その...ひどいですよ...」
『はぁ...うじうじとうるさい奴だな。
何度も言っているが、事後報告にはなったものの
ちゃんと避妊薬も飲ませてあったし、
これからももちろん飲ませてやる。
副作用の心配でもしているのか?
心配せずともそんなものは...』
「いや!そういう話ではなく...
そもそも、こういうことは、
こんな簡単にする行為では...」
『いい加減本当にやかましいぞ。
どうであれ、お前はもう俺のものだ。
お前にとやかく言う権利はない。
そろそろ口を慎め。』
「でも...っ」
『黙れ』
強く言い切られ、圧力に何も言い返せない。
めるは服の裾をぎゅっと握り、俯く。