第1章 04月25日
しかも、今年の会計委員会の担当はあの!あのっ!あのッ!雷門中ナンバーワン不愉快でナンバーワン不人気な冬海先生なのだ!
もともと会計委員会の担当は初任からずーっと雷門中に勤めていた辺手嵐先生というベテランな先生だったのだが今年の3月に引退してしまった。
この引退を受け4月から冬海先生が会計委員会を担当することになったのが……
冬海先生が選出された理由は正直意味がわからないと言ってもいい。
赴任して2年目の先生なことはもちろんだが、勤務態度に問題があると言える。昨年たまたま彼がクラス担任だったが最悪だった。
そもそも教師としての仕事が全てが事務的でなんのために教師になったかわからない。生徒に対する熱意や努力が全く感じられないのだ。
たった13年しか生きてないわたしがそう思うのだからかなりヤバい先生であることは間違いないだろう。
会計委員会は生徒会の中枢を担う委員会のひとつだ。予算の検討から資金の調達、スポンサーの情報収集・依頼、予算の配分まで学校を運営するために必要なお金というお金を扱う大切な委員会であると言える。
だからこそ、信頼の厚い先生を担当にすることによってある程度の人員を確保するのだ。
今年の人員不足は明らかに担当が冬海先生になったせいだ。委員会の顔合わせで集まった人数があまりにも少なすぎて昨年のメンバーをスカウトしに行かされたが、どの子にも「あの冬海先生の下であの仕事をこなすのは無理だ」と言われた。
正直わたしも無理だ、後悔しかしていない。今日だって終わるかどうかギリギリの仕事をひとりで抱えて精神をすり減らしている。既に死にそう。