• テキストサイズ

"Yes, I...

第7章 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば…


貴女side---

耳元で、誰かの息づかいが聞こえる。

目を覚ますと、私は晋助の腕の中にいた。抵抗しようか、とも思ったが、私は結局、これを諦めた。

どっちしろ、重くて辛い腰のせいで、
どうにも動くことができないからだ。



寝たふりを止めて、恐る恐る目を開ける。晋助の片方の眼が、優しい光を灯していた。


そう、まるで愛しいものに対して向けるような、

そんな目をしていた。



やめて、そんな目をされたら…
私は…私はまた、あなたを信じてしまいそう。




いたたまれなくなって、私から視線をはずした。すると、私の肩を抱いていた彼の腕に、力が入る。



私は、その手を降りきることができなかった。なぜなら、私の心のどこかで、それを喜んでいるから。

そう、どこかで望んでいた、
彼の手。

今、ここにある。
/ 61ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp