第7章 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば…
貴女side---
私が鬼兵隊に紛れ込んでから、
約2週間が過ぎた。
そろそろ総悟を助け出したいところだが、あいにく鍵は、高杉が持っている。高杉から鍵を奪うためには、どうすればいいのか。
思い付く案としては、
* 女であることを白状する。
* 力づくで奪う。
だが、このなかで一番マシなのは自分が女であることを、白状すること。
でも、白状したくない。
今このタイミングでカミングアウトすれば、確実に 高杉の思惑に嵌まることになる予感しかしないからだ。
だが、どうする?
だがとても残念なことに、
あいつは全て、悟っていた。
全ての準備が整い、
あとは総悟を助け出せば完成する。
このミッションは、
遂行されるはずだった。
だがしかし、やはり人生とは、
なかなか上手くゆかない。
真選組に総悟のいる場所と、
救出の、計画書を無事に送り届け、
鍵の暗証番号を、伝達し終えると、
なぜかそこには、高杉がいた。
え?
なぜ?
貴)な、なんでございましょう?
晋助様?
そう、この船のなかでは、
彼は、総督か、晋助様 と呼ばれ、
彼をそう呼ばないものは、
皆 排除されてきた。
何かしらの形で。
だから私も、必死で彼をそう呼んでいた。
高)お前、今何をしてた?
うそ、バレてた!?
貴)い、いやその、両親にメールを打ってました。
嘘をついているとバレないように、
必死で演技にしていれば、
彼は、私との距離を詰める。
それから逃げようとすれば、
壁にぶち当たる。
背中に当たった感触からして、
もう私には、逃げ道は、残されていない。
高)ほォ?両親?
貴)ええ。
高)だが、ならばなぜ、オレから逃げようとする?それとお前、本当は女だろう?
!?
なぜ?なぜ バレている?
貴)い、いえいえ、
そんなはずは…
あ、あるわけございませんでしょう?
だが目の前の男は、
ニヤリと笑って、
こう告げる。
高)では、確かめさせてもらおう。