第7章 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば…
また子side---
どうしよう、
マジで、どうしよう。
こんな気持ちははじめてだ。
私は、一生を…自分の一生をかけて
晋助様だけに仕えよう、と。
そう心に誓ったはずなのに。
不意に現れた彼は、
私の心を、かき乱していく…
まるで、
水鳥が湖面から飛び立つように。
その鳥を愛してしまった森の精は、
彼をただ見つめることしかできない。
そんな話をどこかで聞いたことがあるような気がする。
そのお話の続きを未だ
思い出すことができないが、
時々、虚しさを覚える。
自分が彼女になったような、錯覚。
彼女になるのでは…?
そうであって欲しくはないが、
そうなる予感しか、しない。
人知れぬ うきみに茂き 思い草
思えば君ぞ 種はまきける
あなたが、笑うとき
あなたが物思うとき
私は、あなたのその横顔を、
ただ見つめて。
いや、私にはただ
あなたを見つめることしか
できないのです。
その笑顔が見たくて、
私だけを、彼に見ていてもらいたくて、ただあなたを見つめる。
だけど、私には、
告白するだけの度胸と、
心の強さが、ない。
悶々とした思いを抱えて、
私は、あなたを愛している。
どうしたらいい?