第6章 来たるべき 時が来たりと いふ時に…
土方side---
双葉が、無事に着いたらしいメッセージを受け取ったのは、出発してから、数時間後だった。
確かにあいつは、すごい才能を秘めている。下手な攘夷志士たちよりも、
テロリストになる才能があるんじゃないか、と思うときもあるくらいだ。
…並大抵の才能ではない。
では、どこでその才能を?
確か、近藤さんに聞いた話では、
ちょうど攘夷戦争が終わった頃、
ふらふらしていた双葉を見かけ、
拾ってきたらしいが、…。
そもそも、なぜ「ふらふらして」いたのか?
そうした考えの最後には、必ず、
彼女が、攘夷志士なのではないか、
と自分の中で、結論付けてしまう。
…できれば、そんな風に考えたくないが、なぜかいつもふと、そんな考えが頭をよぎる。
これは、事実なのか、
そうではないのか、
誰にも分からない。
だがこれは、知らない方がよい話なのかもしれない。知ったが最後、…
それは、破滅へと向かうのかもしれない。だがそれはそれで、いいのかもしれない、と考えている自分がいる。
だがもし仮に双葉が、攘夷志士たたとしても、オレは、
せめてオレだけでも、あいつのそばにいてやる、と決めた。
お前が一体誰なのか、
どこで生まれ、どこで育ち、
どいいう人間なのか、
たとえその結果が、破滅を示すとしても、オレは、お前のために生きる、
そう心に誓った。
だから、待っていてくれ…