第4章 思へども 験もなしと 知るものを…
もちろん、私なんかは、
晋助様と付き合えるような
立場ではない。
むしろ、部下に過ぎない。
そう思ってきた。
あなたを愛している、なんて
そんなこと、
言えるわけがない。
だけどあなた様が、そんな趣味だとは、思ってもみなかった。
胸の中に華を咲かせた、
この気持ちを、どうしたらいい?
思へども 験もなしと 知るものを
何かここだく 我が恋ひわたる
いや、でもこのままでいいのかもしれない。その方が、いいのかもしれない…私にとっては。
そう決めたのに…私は、沖田に
嫉妬する。
そんな感情が沸き起こることに、
驚きと悲しみと、怒りと絶望。
特に、沖田の嬌声を聞いてしまった時。目の端に、涙が滲む。
葉隠れに 散りとどまれる 花のみぞ
忍びし人に 逢ふ心地する
私では、ダメなんでしょうか?
そもそも、恋愛対象として、
見られていないのかも。
そんな考えさえ、頭をよぎる。