第3章 ✳第一条✳ まずは見た目の変化から
二日後の朝。月曜日。週のはじめ。
この日が肝心。
私はいつも気合を入れて、登校していた。
【今日をしくじったら、憂鬱な1週間になる】って。
【今日を乗り越えたら、また楽しい1週間になる】って。
………今日の私は、本当に不安に押しつぶされそうだった。
恋禽「…よい1日になりますように」
両親の写真に手を合わせて
私は家の扉を開けた。
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学校への登校中は、みんなからの視線を浴びていた。
やっぱり、そんなに変なのかな…。
口紅赤かったり?!
チーク濃すぎたり?!
そんな不安を抱えて、校舎に入った。
そして、靴棚で柊羽と会った瞬間に
みんなの視線の原因が分かった。
柊羽「おまっ……、どんな化粧してきてるんだよ!!」
案の定、酷いメイクだったようです。
真っ先に、旧校舎の使用されていない男子トイレに連れ込まれ
メイクを落とした。
いや、落とされた。
恋禽「やっぱり…口紅赤かったかなぁって思ってたんだよ」
柊羽「うん。これ赤すぎ。出血してるのかと思ったわ」
恋禽「チークも、ピンク色にしすぎたのかなぁって」
柊羽「うん。これもはや熱並みの赤さ。てかお前は芸人か」
アイラインはみ出しすぎ。アイシャドウ黒すぎ。つけまつげ大きすぎ。
さすがにやり過ぎだ、と柊羽に怒られた。
恋禽「もぅ。わかんないよ、緊張しちゃって出来なくて…」
柊羽「…あー、くそっ。じゃあ、好きなやつ思い浮かべてメイクしろ。絶対できるから」
柊羽は、少し怒ったかのように言った。
恋禽「あ、うん…」
私は、持ってきていたメイク用ポーチを棚に広げ
祐介先輩を思って、メイクを始めた。