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好きな彼を落とすまで。

第3章 ✳第一条✳ まずは見た目の変化から


旧校舎の、人気のない所。




そこに私の活動部屋があった。




その名前は【天文部】。




錆びてしまっている古いドアを、音を立てて開けると




そこにはもう人がいた。




…できることなら、会いたくない人まで。



龍太郎「あーれ、恋禽。今日は来る日なの?」




恋禽「そうよ…。私だって部員だし、居てもいいでしょ?」




龍太郎「えーっ。どうしよっかなぁ」




『田山龍太郎』




私の幼馴染で、とてつもない性格の持ち主。




龍太郎「お前さ、また祐介先輩に告白"しかけた"の?」




恋禽「ちょっ…、わかった口聞かないでよ!」




龍太郎「だからさぁ、諦めたほうがいいよ?どうせ無理だし。お前なんかじゃ」




龍太郎は、私の口紅を手で拭った。




恋禽「なっ…、なんてことっ…」




凛「こら、やめてあげなよ。君には彼女が居るでしょう?」




龍太郎「なんだよー。彼女いたって、こいつは幼馴染ですよ?」




凛「龍太郎はそうかもしれないけど、恋禽ちゃんはすごい嫌がってるように見えるけど」




三年生で部長の『深山凜』先輩が、龍太郎を止めてくれた。




恋禽「凜先輩、ありがとうございます」




凜「なんにもしてないよ。けど、俺は恋禽ちゃん応援派だからね」




龍太郎「俺は反対だけどなー」




恋禽「龍太郎は黙ってて。…やっぱり、凜先輩の勧めでこの部活に入ってよかったぁ」





凜「天文も、深く知れば面白いから」




恋禽「本当にそう思います。月に一回の天体観測が、いつも楽しみで仕方ないです!」




龍太郎「…お前と一緒とか、俺は勘弁だけどなー」




恋禽「じゃあ、来なきゃいいじゃん」




龍太郎「はぁ?お前どんな権利で言ってんの?」




龍太郎がイライラした様子で、私に文句を言ってきたから




はっきりと言い分を答えてあげた。




恋禽「先に入部した権利」




龍太郎「ぅ…っ、うっぜぇなぁ」




凜「はは。君たち本当に仲良しなんだね」




恋禽「そう見えます?」




龍太郎「はぁ、どこがっ!」




私たちは、顔を見合わせてから




ぷいっ、っと背を向けた。
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