第4章 友達の資格
体育祭が近づいたある日、教室の前にものすごい人だかりができていた。
そりゃあもう。
外に出られないレベル。
「お、おぉ、な、なにごとだぁぁ!!」
「君たち!A組になにかようか?」
「んだよでれねーじゃん!何しに来たんだよぉ!」
「敵情視察だろ。ザコ。敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな。」
勝己くんはいつも通りで、大胆不敵な感じにその人だかりの前へ進んでいった。
「ひ、ひぇ、」
私はというと……人間が沢山いすぎてショート寸前だった。
こんなにも沢山の人の前に立ったこと、ない。
泣きそう。
「あれじゃない?ほら、あの女の子」
「あっ、そうそうあれだよ。あの眼帯!」
「?」
ざわざわの声の中から私に向かって言われたらしき声がした。心做しか少し視線も感じるような。自意識過剰なのかもしれないけど、怖くなって天哉くんの後ろに隠れる。
「安藤くん?どうした!」
「こ、怖くて……ごめん、なさい。」
「まぁ、この人だかりだからな。無理もないか」