第3章 感謝祭
よし、ヤイチのカステラに〜、お兄ちゃんのどら焼き。
ティグレのプリン、シャルクのアップルパイ、コリンに渡す焼きリンゴ、あとウェインさんの紅茶クッキー。
完璧、かな?
今日は感謝祭ってことで湯屋もおやすみだし、渡しに行こう。
「カステラ…ありがと」
「うん、じゃあわたし急いでるから!」
「なんダ?コレ…」
「アップルパイだよ。美味しいから食べて見て」
「プリンデスカ?」
「うん、感謝祭の。じゃあ、またね!」
「うわ〜嬉しいな。僕にくれるの?」
「そうだよ。」
「ありがとう〜あ、ウェインさんだ〜じゃあ、またねー!」
一通りみんなに渡し終えたときに、ウェインさんとばったり会ってしまった。
「やぁ。コリンにあげてたの?」
「あ、はい。あの、これお口に合うかわかりませんが…ウェインさんのです」
「ちょっと、話があるんだけど…いいかな?」
「え、あ、はい。」
そう言って連れてこられたのは。
郵便局だった。
今はもう4時だから、お客さんもイーサンさんもいないけど。
だから、2人。
「これ、なにかわかるよね。」
そう言って取り出したのは恋人に送るとされるペンダント。
「初めて会ったときに、君のこと好きになったんだ。でも、年の差とか色々気にして認めなかった。でも今は認めざるを得ない。ねぇ、君が好きだ」
ウェインさん…
ウェインさんがわたしのことを…すき?
そんな、ならずっと、この10年ずっと両思いだったの?
「わ、たしもずっと好きでした。」
「良かった。じゃあ、付き合おう。」