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スキナヒト

第3章 感謝祭



ついに、ウェインさんと付き合えた…。

「どうしよう…」

「どうしようはこっちのセリフだよ〜ぼんやりして」

「タツミ…ひさしぶり。」

「ウェインさんと付き合えたんだよね〜良かったね〜」

なんで、そんな顔をしてるの?
泣きそうな辛そうな。
タツミは小さい頃から怒らないし泣いたりもしなかった。
そのタツミが今、泣きそうな顔をして笑っている。

〝僕の好きな人はキミだよ〟

あの時の言葉が脳裏に蘇った。

あぁ、そうか。
タツミのこと傷つけたのはわたしだ。

「ごめんね。」

「謝らないでよ。あ、あの時のこと気にしてるの?あれなら気にしなくていいよ〜嘘だもん!」

そんなこと言って全部嘘にしても全部わかってるよ。
もう、何年も一緒にいるんだもん。

「タツミ…」

ガラガラ…

「やぁ、もうすぐ仕事は終わりそうかい?」

「あ、はい。もう終わります。待っててください」

「ウェインさん、ソラを幸せにしてあげてくださいねっじゃ僕はこれで」

それだけ言ってタツミは走って出てった。
タツミ…泣いていた…
見間違えるはずない。

「タツ、え、ウェイン、さん?」

タツミを追いかけようとした私を握る手。
私よりも大きくて逞しい、ウェインさんの手だった。

「あの…」

「行かないで。俺のそばにいてほしい。」

「わかりました。」

私は、タツミの思いに、自分の気持ちに、蓋をしてしまった。

その日、ウェインさんに家まで送ってもらって、初めて、キスをした。

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