• テキストサイズ

モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第15章 行事


走って走って悠一を探し回る。今はトリオン体の為、息切れも体力も関係無いからいくらでも探せる。
携帯は部屋に忘れてしまったから使えない。走るしかない。
探し始めて1時間くらい経った頃、本部・玉狛・警戒区域を探しても悠一の姿が見当たらない。
街に出たのだろうかと思いながら足を進める。

僕「会いに来いって言った癖に、どこ行ったの...?」

街まで来るとトリオン体を解除する。街では緊急時以外のトリオン体の換装は禁止されている。
歩けるようになったとは言え、前の様にはまだ動けない。早く見つけないと体力が無くなる。
とある飲食店の前に差し掛かった時、不意に声を掛けられた。

男1「君今1人?」
男2「俺らと買い物しない?」
僕「今急いでるので他を当たって下さい」
男3「そう言わずにさ〜楽しい事しようよ〜?」

そう言って僕の腕を掴んで無理矢理連れて行こうとする。
抵抗するも、力の無い今の僕では全く歯が立たない。逆に掴む力は強くなる。

僕(誰か...!)

そう思った時、先頭を歩いていた男1が立ち止まり、その前方から僕が探していた人物の声が聞こえてくる。

男1「あぁ?何だテメェ」
迅「その子の連れだよ。悪いけど、その子離してくれないかな?」
男2「はっ!誰が離すかよ!俺達はこれから楽しい事しに行くんだから邪魔すんな!」
迅「残念だけどそれは無理だ。俺のSEがそう言ってる」

悠一の言葉に「何言ってんだこいつ」と言う顔をして、男1と2が悠一に殴り掛かる。しかし、悠一はその全てをヒラヒラと躱し、オマケに鳩尾に一発食らわせて気絶させた。

迅「そっちのお兄さんも相手してあげようか?」
男3「ひ、ひぃぃ!!!!」

悠一が笑顔で指を鳴らすと、最後の男も逃げるように去っていった。
解放された僕は腕を抑えて壁に寄り掛かる。

迅「明希、大丈夫だった?」
僕「…怖かった」
迅「ごめんね。反対の通りを歩いてたらさっきの男達と明希が見えたから、急いで来たんだけど…遅れてごめんね」

そう言って僕の頭を撫でてくれる。やっぱり、悠一の手が1番安心する。
そしてその手が僕の手を引いて街を後にする。

警戒区域に程近い住宅街に差し掛かる。だいぶ日が暮れ、影も長くなっている。

僕「ねぇ悠一」
迅「どうしたの?」

足を止めて悠一を呼び止める。
悠一も足を止めてこちらを向く。

僕「あのね...」
/ 131ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp