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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第14章 嫉妬


はぁ...と溜息を吐く。そして「3人共」と地を這うように冷たい声で制する。一瞬でこの空間全体が固まった。ただ1人を除いて...。

太「止めるな藤咲」
僕「今のはただの戯れ言だと思って下さい。この程度の嫉みや妬みなど慣れていますから。いちいち気にしていたらキリがありませんし、言いたいように言わせておけば良いですよ」
太「俺の気が済まないんだが?」
僕「今はその怒りを鎮めてください。気持ちは嬉しいですが、これは僕の問題です」

そう言い切ると、太刀川さんが折れて「わかったから、お前もその殺気仕舞え」と言う。言われた通り殺気を消すと、今まで固まっていた人達が全員その場に崩れる。

僕「...やり過ぎたかな」
太「やり過ぎたな。俺もこうやって立つのがやっとだった」
米「これ...SEじゃ無いんだろ...?」
僕「師匠に教わったんだ。とんでもない事になったけど」
風「...ある意味凄い才能だが...SEじゃ無いのが信じられんな…」
僕「何かすみません…」

数分経って3人が回復した時に太刀川さんが口を開く。

太「でもいいのか?好き放題言わせておいて」
僕「はい。これが1番争いが無くていいです」
米「俺、仲いいヤツの悪口聞いて黙ってるの苦手なんだけど」
僕「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、これは僕の問題だって言ったよね?自分の事は自分で解決しないとダメだよ」
風「どうしても耐えられなくなったら、何時でも頼ってくれ。力になる」
僕「ありがとうございます。気持ちだけでも充分力になりますよ」

頑として自分の問題だと言い張る僕に、3人は少し溜息を吐きながらも応援してくれる。

その後、模擬戦をする2人と別れて、太刀川さんに部屋まで送って貰った。今日はとにかく疲れた。
そんな僕の心情を察した太刀川さんが、僕をお姫様抱っこしてベッドまで運ぶ。最初は驚いたものの、かなり疲れていたのか、すぐに太刀川さんの腕の中で眠りに落ちた。

♢♢

*太刀川視点

俺は藤咲が好きだ。
真っ直ぐ相手を見据える綺麗な目も、洗練された動き1つ1つも、月をバックに夜風に髪を靡かせ現れたあの夜から、ずっと好きだった。
でもコイツは俺の事を好きじゃない。コイツは迅しか見てない。どうせ叶わない恋なんだ。だから今だけ、今この瞬間だけ...

俺「好きだ...」

そう告げ、唇を落として部屋を出た。
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