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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第3章 再開


僕「なん...で...?」

振り返った先にいたのは、もう会う筈のない人だった。

僕「何で...悠一がいるの...?」
迅「それはこっちのセリフだよ。久しぶり、明希」

一瞬驚いた顔を見せた彼...迅悠一は落ち着いて僕の名前を呼び、大きな腕で僕を抱きしめた。すっかり声変わりをした低い声。なのに、僕を呼ぶ時の優しさを帯びた口調は変わらない。
何年ぶりかの人肌に懐かしさと、死んだと思っていた相手に会えた喜びで涙が溢れた.....。



昔、僕と悠一は家が隣同士で、赤ちゃんの時からずっと一緒だった。お互いを実の兄妹の様に思うくらい。
産まれ持った能力のせいで、いつも悩まされ、嫌な事がある度にお互いを慰めあった。心の拠り所はお互いだったのだ。
そして、悠一を守れるようにと内緒でボーダーに入ったのが小1の夏だ。当時最年少だった僕は、周りの大人達に沢山甘やかされた。
戦闘訓練は空閑有吾さんを師匠に、有吾さんがいない時は最上さんに相手してもらった。SEの事を詳しく教えて貰ったのもこの頃だ。
僕が入って1年後に桐絵が入って、友達になった時はとても嬉しかったのを覚えている。
そして、桐絵が入った半年後に進さんが入って、3人で仲良く訓練したり、休憩時間には学校の話をしたり、ボーダーでの毎日はとても楽しかった。
悠一と遊ぶ時間、会う時間が前よりも減ってしまうのが辛かったが、悠一を守る為ならと思えば我慢できた。
それに、ボーダーに入ってからも僕と悠一はいつも一緒。学校行くのも帰るのも。どちらかの親の帰りが遅い時は、一緒にご飯を食べたり泊まったりもした。宿題を一緒にやったり、外に遊びに行ったり楽しかった。ボーダーと悠一の間を行ったり来たりだったが、とても楽しい日々を過ごしていて、これからもこんな日が続くんだと信じて疑わなかった。
そして悲劇は起こった。

僕が小4の夏、ボーダーから帰ってきた僕は、出掛け先から帰ってきていない家族を待っていた。しかし何時まで経っても帰って来ず不安に思い始めた時、家電に悠一の家から電話が入った。電話に出ると掛けてきたのは悠一で、『ニュース!』と叫ばれた。何事かと思ってすぐにニュース番組を写すと、お父さんの車と同じ車種の車がペシャンコになっているのが写った。
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