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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第3章 再開


テレビ画面に大きく写った、ペシャンコになった車。車種がお父さんの車と一緒なのがすぐにわかった。次の瞬間、嫌な予感がした。帰りの遅い家族。お父さんの車と同じ車種のペシャンコになった車。もしかして...
そこまで考えて家のインターホンがなった。『明希!!』と悠一が呼ぶ声がする。急いでドアを開けるとそこに居たのはやっぱり悠一だった。

僕「悠一...」
迅「明希ごめん。止められなかった...。朝母さんの顔を見た時にこの未来が見えて、止めようと明希の家に行ったんだけどもう出掛けたあとで...本当にごめん」
僕「何で謝るの?あの車がお父さん達の乗った車だって決まった訳じゃないし、それに、もしあれがうちの車だったとして、あんなにペシャンコなら死体が出ても可笑しくないのに死体はないんだよ?みんなが生きてる可能性はあるんだよ?悠一が謝る事じゃないよ」
迅「でも...」
僕「悠一の未来視だって万能じゃないんだから、読み間違える事もあるし、読み逃す事もあるよ。悠一のせいじゃない。だからお願い。これ以上謝らないでよ」

尚も謝ろうとする悠一に謝らないでとお願いして、微笑みを向ける。悠一の未来視が読み間違えじゃない事、読み逃してない事も僕にはわかっている。だけど、その事実を認めたくなくて悠一を止めた。
悠一には作り笑いだって気付かれてると思うけど、そうしないと今にも泣きそうだったし、悠一を責めてしまいそうだった。
その日は悠一の家でお風呂と晩御飯を一緒にして、自分の家で寝た。

翌日の昼頃。三門市警察署の人が僕の家を訪ねてきた。要件はやはり昨日のニュースの事だった。
あの車がお父さんの物で、家族はまだ見つかっておらず、ペシャンコになった原因は不明だが、誘拐の線で操作を進めていると教えて貰った。
そして、僕はまだ小学4年生の為、市内にある児童保護施設に入る事が決まった。悠一や悠一の家族には『うちで預からせてくれ』と言われたが、僕はそれを拒否した。迷惑を掛けたくないと理由をつけて。
同時に、ボーダーも辞めた。施設は時間厳守の場所だから、1日の生活リズムが学校の時間割のように決まっている為ボーダーに行けなくなったのだ。

それから1年が経ち、大規模進行が起こった。
訳あって病院で目が覚めた僕は、死者・行方不明者共に1000人以上と聞いて、悠一も死んでしまったと思いこんで次第に病んでいった。
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