第13章 餞別
医務室にて、ある程度の検査が終わった。引っかかったのは3つ。体重・栄養失調・SEだ。
体重は53kgから42kgまで落ちていると聞いた時は焦った。最低でも50kg以上にならないと色々大変だ。
栄養失調はまぁ、これからご飯食べるから大丈夫だろう。
SEは、以前のような暴走が無くなっていると言われた。前は目覚めた後も若干引きずっていたのに、今回は何も無しとは驚いた。
検査が終わると、自力で私服に着替えて悠一を呼ぶ。入ってきた悠一は車椅子を押していた。
僕「悠一」
迅「これに乗ってね」
僕「.....絶対?」
迅「絶対」
僕「...ん」
絶対と言い切った悠一に向かって腕を広げる。意図を察した悠一が「仕方ないなぁ」と苦笑しながら車椅子に乗せてくれる。
僕「これからどこ行くの?」
迅「ラウンジ。レイジさんが厨房借りてご飯作ってくれるって」
僕「レイジさんのご飯か〜。楽しみだなぁ」
そう言った僕の頭を悠一がワシャワシャと撫でる。
ラウンジに着くと、そこにはさっきの人達+αで人が沢山いた。
入って来た僕達に一番に気付いて声を掛けたのは、遊真君と陽介と公平だった。
空「お、フジサキ先輩」
米「よぉ、藤咲!早くこっち来いよ!」
出「ってか、車椅子なんだな。暫く歩けねぇの?」
僕「うん。寝てた間に随分筋力が落ちたみたいで立てなくて...」
空「つまりアレですな。ヨウカイゴシャとか言うやつですな」
遊真君、そんな言葉どこで覚えて来たの...陽介と公平と悠一は爆笑してるし...。
そんなこんなで話をしていると、レイジさんがご飯を運んで来てくれた。
木「空腹の胃に油っこいものは悪いからな。最初は胃に優しいお粥で胃をならせ」
僕「お気遣いありがとうございます!」
迅「レイジさんマジおかん」
木「迅の分は無しでいいな」
迅「ごめんなさい!嘘です!俺の分もください!」
半ば自業自得だよね。みんなの心が1つになったのがSEを使わなくてもわかった瞬間だった。
全員分のお昼ご飯を配り終わって、食べ始める。
米「木崎さんの飯うまっ!」
出「何これ超美味い。玉狛は毎日これ食ってんのかと思うと、超羨ましい」
米「それな」
僕「...熱っ」
迅「大丈夫?」
僕「熱かった...けど美味しい」
ふにゃっと笑って答えると、それを見た人達が顔を赤くして顔を背けた。
...どうしたんだろ?