第13章 餞別
*明希視点
進さんが行って暫く経った。進さん、ちゃんとお話出来たかな。少しの時間でも楽しく過ごせたかな。
すると、約束通り進さんが戻って来た。
〖ただいま、明希〗
"おかえり、進さん。楽しかった?"
〖あぁ。蒼也とレイジ、小南や林藤さんと久しぶりに話せて嬉しかった。今度は明希の番だ。みんなが待ってるぞ〗
"うん。僕も行くよ。...ありがとう、進さん。またね"
〖あぁ...またな〗
そして僕の身体は強い光に包まれた。
♢♢
瞼越しに透けて見える淡い光。
僕「ん.....」
迅「明希?」
僕「.......ゆういち?」
迅「明希!」
小「明希ー!」
僕「きりえ.....?」
目を覚ますと、そこには悠一や桐絵だけでなく、玉狛メンバー・17歳組・嵐山隊・太刀川さん・東さん・諏訪さん・瑠衣・蒼也さん・城戸さん・忍田さん・ボス、あと18歳組の人?と知らない人がいた。
小佐「明希...」
僕「るい...」
小佐「おかえり」
僕「うん...ただいま」
両手を広げると、瑠衣が僕を抱き起こしてそのまま抱き締めた。
そしてみんなが順々に話しかける。1人1人の問いかけに、出来るだけ丁寧に答えていく。
最後は城戸さんだ。
僕「城戸さん...」
城「もう、謝らなくていい。お前は、よくやってくれた。ありがとう」
僕「はい…僕の方こそ...ありがとうございます」
泣き始めた僕を優しく抱き締める城戸さん。僕は縋るように抱き締め返す。瑠衣や悠一とは違う、懐かしい柔らかな温もりを感じられた。
城戸さんから離れて、もう1度みんなに向き直すと
迅「せーのっ!」
『藤咲/明希!おかえりなさい!』
僕「みんな...ただいま...ありがとう」と
みんなが僕を迎えてくれた。待っていてくれた。それが何より嬉しくて、自分の居場所を感じられて、僕は幸せだ。
この後、僕は身体検査の為医務室まで行くことになり、自分で立とうとしたが力が入らなくてベッドから落ちかけた。ギリギリ悠一が抱き留めてくれたが、2週間も寝たきりだった為、随分筋力が衰えているようだ。
迅「おんぶしようか?」
僕「うん。お願い」
しゃがんだ悠一の背に乗ると、「うわっ!軽っ!」と言われてしまった。そう言えば、ずっと寝てたからご飯食べてないんだ。
僕「悠一、お腹が空いて力が出ない」
迅「ア〇パ〇マ〇かw」