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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第5章 衝突


僕を抱き締めていた腕がゆっくり解かれる。城戸さんにお辞儀をしてボスと悠一の側まで戻る。
僕が戻ってきたのを確認したボスは、僕が玉狛支部員としてボーダーに復帰する事を伝えた。
忍田さんも城戸さんも最初は渋っていたが、臨時会議や緊急招集、A級部隊隊長会議に出席する事を条件に許可してくれた。
ダメだったら桐絵が荒れただろうな。

城「明希、一つ聞きたいことがある」
僕「なんでしょう?」

城戸さんの雰囲気が急に変わった。何か大切な話のようだ。

城「明希は、進がどうなったか気になるか?」
僕「!...進さんは本部にいないんですか?」

僕は敢えて嘘をつく。ここで進さんの事を話してしまえば、恐らく雷刃をとりあげられる。進さんが黒トリガーになってから4年間、片時も離すこと無く手元に持っていた。今も鞄の中に入っている。

城「進は...第一次大規模侵攻で行方不明になった」
僕「!?」
忍「進を最後に確認したのは、君のいた施設の側にあったトリオン反応なんだ。でも、そこには血の流れたあとはあれども、進の姿は無かった。」
林「侵攻が終わったあとに急いで駆け付けたんだがな。病院に運ばれたかもしれないと思って病院を廻ったが、何処にも風間進の名前はなかった」
僕「.....」

今聞いた内容の真実は全て知っている。でも、今は話す時じゃない。
当時の事を思い出して涙が出る。

城「辛い気持ちは私達もよくわかる。だが、その上で知っている事は話して欲しい」
僕「...ごめんなさい。僕は何も知らないです」
城「そうか...」

その後、初めて見る4人の幹部の方々に挨拶と自己紹介をして、僕はA級隊員として活動する事を言い渡された。
そして、昔僕が使っていたトリガーを忍田さんから受け取り、悠一と僕は退室した。
帰りは用事があるという悠一に付き添う。何でも、警戒区域の旧弓手町駅に行くらしく、そこに僕の知り合いがいると言われた。
誰だろうと考えながら、何故かトリオン体に換装し目的地に向かう。悠一は[俺]のトリオン体姿に少々驚いていたが、すぐに元の飄々とした顔に戻っていた。



旧弓手町駅に着くと、構内から銃声や金属音が聞こえて来た。かと思うと、駅の屋根から昨日会ったばかりの遊真君が飛び出した。
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