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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第5章 衝突


玉狛支部での初めての朝食を堪能した後、支部長...ボスに車を出してもらって悠一と僕とボスの3人で本部に向かった。
以前住んでいた家から引っ越してきて、最近よく見るようになったボーダー本部基地。
出発し数分後...本部基地に着いた僕達は、上層部直通エレベーターに乗って上の階へ登る。久しぶりに会うからか、心拍数が少し上がる。

林「さ、着いたぞ」

一度深呼吸して落ち着く。いくら昔の知り合いに会うからと言って、今ではここのお偉いさんなのだ。それなりに緊張する。
ボスが言うには、僕が来る事は内緒にしていて、サプライズのようにするらしい。僕なんかがサプライズのネタになるのか心配だ。
ボスが会議室の扉を開ける。

林・迅「失礼しマース」

ボスと悠一の後ろに隠れてこっそり部屋に入る。
入って来た僕達(ボスと悠一)に最初に声をかけたのは忍田さんだ。

忍田「林藤、珍しく時間より早いじゃないか」
林「いつもこんなもんだって」
迅「いやいや、偶に俺よりも遅い時あるじゃん」

この二人は相変わらず仲がいい。悠一も飄々とした態度で話に交ざる。
終わらなさそうな会話を遮ったのは、現在ボーダー本部トップの城戸さんだった。

城戸「話はそれぐらいにして早く座れ」
林「座る前に、懐かしい奴連れてきたぜ」
『懐かしい奴?』

ボスと悠一以外の大人達が問い質す。それに対してボスはニカッと笑い、後ろに隠れていた僕に出て来いと言う。
今まで消していた気配を露わにし、ボスの隣にスッと並ぶ。

僕「お久しぶりです。城戸さん、忍田さん」
「「明希!?」」
僕「よかった...覚えていてくれたんですね」
忍「当たり前だ!大きくなったなぁ!」

忍田さんが僕のそばに来てぎゅっと抱きしめてくれる。嬉しくて僕もぎゅっと抱きしめ返す。
暫く抱き締め合ったまま会話をしていると、忍田さんに城戸さんの所に行くように言われた。
そばに行くと城戸さんは立ち上がり、慣れている者しかわからない程度に頬を緩ませ、

城「おかえり。明希」

と優しく抱き締めて迎えてくれた。僕はそれに甘えるように、背中に手を回してギュッとした。
僕を知らない人達が目を見開いて固まった。見てはいけないものを見たような気がしたのか、そっと目を逸らした。悠一も、これは見えていなかったようで驚いている。
ボスと忍田さんは僕達2人を暖かい目で見守っていた。
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