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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第19章 好意


*忍田視点

城戸さんの腕の中で、普段より幾分か幼い笑みを浮かべる明希。城戸さんの若干微笑んだ顔は久しぶりに見た。いつも仕事しない表情筋も、明希相手だとこうも変わるのかと幸せそうな2人を眺める。その様はさながら親子のようだ。見ているこちらもつられて微笑ましくなる。

太「城戸司令の笑ったとこ初めて見た」
迅「俺も随分と久しぶりに見たよ。俺の明希は凄いなぁ」
忍「明希のそういう所が、人を惹き付けるんだろうな。...処で迅?"俺の"とはどういう事だ?」

聞き捨てならない言葉が聞こえた気がするんだが、私の気のせいだよな?
問われた迅は顔を緩めて答える。

迅「実は俺達、付き合う事になりました」
太「そうなんだよ!この前手ぇ繋いで本部に来てたんだぜ?見せ付けんじゃねぇよ」

2人によって爆弾を投下される。パッと明希の方を見ると、少し頬を赤く染めて「えっと、言うの遅くなってすみません…」と呟いた。
城戸さんはと言うと、明希を膝に乗せたまま固まっている。表情もいつもの顔になっている。

忍「迅...お前...」
迅「いや、流石に手は出してないから!そんな事したら忍田さん達に殺されるって俺のSE言ってるし!明希が卒業する迄はしないつもりだから!」
「「当たり前だ!」」


*明希視点

悠一がカレカノ宣言してから、暫く城戸さんに離してもらえなかった。漸く離してもらえた時には、そろそろ帰る時間だった。
悠一の袖をクイッと引き、そろそろ帰ろうと声をかける。

迅「わかった。じゃ、そろそろお邪魔しますね」
僕「太刀川さんもそろそろ戻りましょう。城戸さん達の仕事の邪魔になっちゃいます」
太「それもそうだな。模擬戦しに行こうかな〜」
「「「お邪魔しました」」」

部屋を後にし太刀川さんは個人ランク戦会場へ、僕達は玉狛へと戻った。

◇◇

夜、食事も終わってそろそろ部屋に戻ろうとした時、遊真君が僕を呼び止めた。

僕「どうしたの?」
空「藤咲先輩にお願いがあるんだ」
僕「僕に?何かな?」
空「俺と模擬戦して欲しい」

遊真君の言う模擬戦は、ただの模擬戦ではない。太刀川さんや荒船さん達にしたような、指導を含めた模擬戦だ。敢えてそこまで言わなかったのは、桐絵の機嫌を損なわないようにする為だろう。
僕は2つ返事でそれを了承し、訓練室に入った。
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