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【BLOOD+】meaning of life

第14章 シュヴァリエ



「ナリファイ、そこに寝ろ」

ジョエルが指差したのは実験台。

私はいつものことなので、何も思わず横になった。

キラリと光るものが私を服もろとも切り裂いた。

「うわぁぁぁ!!!」

いつもより深い痛みが私を襲う。

レイは急いで私の手を握り、名前を呼んだ。

「ナル!!」

悲壮な表情を浮かべながらも、レイはジョエルを睨む。

こんな場面なんて見たくなかっただろうに…。


私を切り開く冷たいそれは、あっという間に人間でいう子宮に辿り着いた。

暖かい血液が周囲を赤く染める。

鉄のような臭いが鼻を刺激し、胸焼けを起こす。


「レイム、私は失望したよ。一年の猶予を与えたというのに、なぜ期待を裏切る。」

「ッ…!!」

レイは眉間にシワを寄せ、目を伏せた。

「私はなんと言ったかね?」

「子を作れと…」

「そうだ。しかし、ナリファイに子はいない。それどころか、形跡もない」

私に子ども?

「今のナリファイの反応からすれば、レイムはそこのとすら言ってないようだな」

「どういうこと?」

「私はレイムに命じた…ナリファイとの子を成せと。しかし、レイムは従わなかったというだけのことだ」

「それは実験ね」

「当たり前だ」

レイは理解していたんだ。

実験だと知っていたがために、私を守ろうと、傷つけまいとしていてくれた。


「そう…」

「理解したようだな。さあ、実験を始めようではないか!」

狂気じみたジョエルの声がこの暗い実験室に反響する。
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