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【BLOOD+】meaning of life

第14章 シュヴァリエ


「レイ」

「どうした?ナル」

「なんでもない。ちょっと呼んでみただけよ」

「そうか」

あれから他愛もない話をいっぱいした。

なんでもない話で笑うことが楽しかった。


相変わらず実験は行われており、辛い日々が続いていたが、それでもレイのおかげで以前より平気に思えた。


2人の絆が深まるうちに、いつしか呼び方も変わった。

私がレイムという少年をレイと呼び始めたのは、その方が意味として良かったからである。

その方が報われると思ったからだ。

彼には幸せになってほしい。


彼が私をナルと呼び始めた理由も直接聞いたわけではないが、似たようなものだろう。

血の効果を名前に示されているnullifyという単語の意味は無効化だ。

おそらく、その意味をレイは知ったのだろう。

だから、私をナルと呼ぶようにした。

私が自身の名を呼ばれるたびに苦しまないように…。


nullという単語でも対して意味は変わらない。

しかし、それでも、レイはナルと呼んだ。


当たり前の日々が過ぎていき、気づけば私の成長は止まっていた。

現在、私の実年齢は21であるはずだが、体は16から何も変わらないでいた。

レイの方はすくすくと成長し、18歳になった。

身長も私を超し、体格もすっかり大人になっていた。

言語は現地のものも含めて5カ国分を習得した。

私と一緒に学んだ剣術や体術もプロ顔負けなほど上達した。


ある日、レイはジョエルに命令を下された。

「ナリファイと子を作れ」…と。


レイはそのことを私に言わなかった。

ジョエルは一年の猶予をレイに与えた。


そして、一年後。

私とレイは実験室に呼ばれた。
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