第8章 血
「関係ないわ。だって今サヤ姉様は家族ごっこを楽しんでるじゃない!私たちなんか忘れて…。」
家族ごっこ…その言葉が重くのしかかった。
「それを言うなら…私とあなたも家族ごっこになる?」
「どうして?」
自分自身認めたくない現実。
しかし、ディーヴァの家族への概念が少しでも変わるなら、と持ち出すことにした。
「だって、私たちは同じ母親から出てきたにも関わらず、違う血液を持ってるのよ?互いに殺すことだってできる。私なんて…」
「や、やめて!!もう、そんな顔しないで」
気づいた時にはディーヴァの腕で抱きしめられていた。
私は一体どんな顔をしていたのだろうか。
ディーヴァに言い聞かせるために持ち出そうとした事実。
それなのに、自分が断念してしまうとは情けない。
「ナル姉様は家族よ。………サヤ姉様も」
私を安心させようと言ってくれた言葉は暖かく心を包んだ。
「ありがとう、ディーヴァ」
「また、会いにきてくれる?」
「ええ、必ず」
その後、ディーヴァは私がサヤに会いに行くことを許してくれた。