第8章 血
「いや、行かないで」
「サヤにも真実を知らせておかないといけないでしょ?」
真実を知らないのは姉妹の中ではサヤだけ。
それではあまりにも可哀想だ。
もしかしたら、知らない方が幸せかもしれないが…。
「別にいいじゃない!サヤ姉様なんて、ナル姉様のように辛い思いをしていない。自由で愛されていて…サヤ姉様なんて死んじゃえばいいのよ!!!」
ディーヴァは私の過去を知っている。
そのために私の身を心配してくれる。
それはとてつもなく嬉しい。
でも…。
「そんなこと言っちゃだめ。サヤは紛れもなくあなたと私の家族なのよ?」
妹たちが争うのは、はっきり言って悲しかった。
同じ血を受けたもの同士がなぜ争わなければいけないのだろうか。
おそらく全てが、私たちの中にある血のせい。