第4章 沖縄
私とレイはサヤの過ごしていた家に足を運んだ。
私たちを案内してくれた少女は金城 香里。
サヤの同じ高校に通う親友らしい。
サヤは陸上部に所属しており、棒高跳びの選手としてかなりいい記録を出していたと笑顔で語ってくれた。
どうやらサヤは幸せな生活を送れていたようだ。
「ここです」
香里が指差したのは大衆酒場と書かれた看板がある建物。
「やっぱりサヤ帰ってきてないかな…。あ!すみません。私は用事があるのでここで失礼します。お役に立てなくてごめんなさい」
「案内してくれて、ありがとう。助かったわ」
「いえ。もし、小夜に会ったら沖縄に帰ってきてねって伝えてください!また、お二人も来てくださいね!!」
寂しそうな顔を浮かべた香里は、用事を思い出したらしく、慌てて挨拶をしていく。
「うん。またね」
手を振りながら去る彼女に向かって、小さく手を振り返すと同時に消え入りそうな声で呟いた。
もう会えないだろうな…そう確信しながら香里の姿が見えなくなるまでその方向を眺めた。