第2章 いつまでも~白子~
天火たちには秘密にしていることがある。
あの大蛇との戦いのあと私は白子さんに逢っている。
崖から白子さんが飛び降りたと聞かされていてもたってもいられなくて川の近くを走り回っていた。白子さんを見つけたのはほんの偶然だった。
「…朝乃か?」
『!?っ白子さん!白子さん!しっかりしてください白子さん!』
「――生きてる。」
「一番半端なのは俺だった―――」
白子さんが自分のことを中途半端だと言った。私はそれが妙にうれしかった。
曇で過ごしたときのことは…あの瞬間は…偽りじゃなかった。
『…半端でいいじゃないですか。』