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いちご☆恋模様 PART2

第1章 STEP BY STEP


そんな簡単なことだったのに、泣いたり取り乱したりして、自分がものすごく恥ずかしい。でも・・・宗介さんはきっとそんな私でもいいって言ってくれるんだろうな。

少し俯き加減で考えに耽っていると、宗介さんがまた少し違う声のトーンで聞いてきた。



「なあ、ヒカリ・・・もう言いたいことはねえのか?」

顔を上げて宗介さんの方を見る。宗介さんの瞳はとても穏やかで優しくて、やっぱりこの人のことが大好きだなあって思った。

「じゃ、じゃあ・・・」

「ああ」

「・・・こ、この前みたいに・・・ぎゅっ、ってしてください・・・・・・」


・・・ああ、これじゃあ言いたいことじゃなくって、してほしいことだなあって思ったけれど、そう思った時には私はもう宗介さんの腕の中にいた。



「・・・ちゃんと言えるじゃねえか」

「・・・・・・」

私も腕を伸ばして宗介さんにぎゅっと抱きついた。

・・・汗くさくないかな、私。でも、それでもいい。今、すごくすごく宗介さんにくっつきたい。離れたくない。



「・・・・・・浴衣、着崩れちまわねえかな・・・・・・せっかく・・・よく似合ってるのに」

私にしか聞こえない小さな声だけど、宗介さんが言ってくれた。すごく嬉しくて、さらにぎゅっと宗介さんに近付いた。

「・・・平気。宗介さんにだったらぐちゃぐちゃにされたって構わないから・・・」

でも、私がそう言うと、なぜか宗介さんがピタリと固まってしまった。

「・・・・・・お前・・・あんまりそういうこと言うな」

「へ?なんでですか?」

「はぁ・・・・・・わかんねえんならいい」

小さくため息を吐く宗介さん。心からの気持ちを言ったのに・・・なんだか不機嫌にさせてしまったみたいだった。
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