第11章 嵐の文化祭 その4
「ヒカリちゃん、宗介のこと大好きなんだね。宗介と電話で話した後とか、すっごく幸せそうな顔してるよ」
・・・真琴は、なんでそういうことをさらりと笑顔で言うんだ。
・・・『大好き』・・・とか、やめろ。今はその言葉が胸に痛い。
そんなヒカリを・・・俺はさっきまた傷付けて泣かした。
「ふふ、それは宗介先輩も一緒ですね!」
「ああ、ほんっとこいつ、ヒカリにデレッデレだぞ。自分では顔に出してないつもりみたいだけどな」
「・・・おい、やめろ。凛、愛」
いや、なんで凛と愛ものってきてんだ。てかもうこの話題やめろ。葉月達が『へぇ〜』とか言いながら興味津々な顔してんだろ。
「はいはーーーーい!俺、この前見ちゃいました!!宗介先輩がヒカリちゃんの・・・」
「・・・百、お前もっぺん地獄に落ちるか?」
・・・こいつも何を暴露しようとしてんだ!
変なことを言われる前に、俺は素早く立ち上がると、前もしたように百の頭を力の限り握りつぶしにかかった。
「いでででで!ギブ!ギブです!宗介先輩!もう言いませんから!宗介先輩がヒカリちゃんと部屋で・・・あででで!!」
「・・・この口、もう二度ときけなくしてやろうか?」
・・・本当にこいつはいっぺん、本気でしめておいた方がいいかもしれない。
俺と百のやり取りに、凛も真琴もみんな笑っていた。