第11章 嵐の文化祭 その4
結局、あの後は岩鳶の奴らが来て、なぜかみんなでサバイバルゲームをやることになった。焦る気持ちも強かったが、参加してみれば思いの外熱中できて、そのおかげでもつれていた思考がクリアになった気がする。
「ちょーーー楽しかったっす!」
「うん、僕も!!」
「またやりたいね」
もう日が落ちて、今俺達はみんなでキャンプファイヤーを眺めながら、濡れた服を乾かしているところだった。
「実は僕、前から宗ちゃんと話してみたいなって思ってたんだ!」
「僕もです。同じバッタの選手として話を聞きたかった!」
みんなで横に並んで話をしていると、葉月と竜ヶ崎が唐突にそんなことを言い出した。
「・・・別に・・・いつでも聞きゃあいいだろうが」
思わず目をそらして、そう答える。
「宗介先輩、黙ってると超怖そうなんすけど、実はすっげー優しいんすよ!」
「へぇ〜!」
「そうなんだー!」
「何の話だ?」
・・・また何か百が余計なことを言っている気がする。
「あ!でもねえ、僕、宗ちゃんが優しいって前から知ってたよ!」
「は?」
思わず間の抜けた声が出てしまう。葉月とは、今日初めてまともに話をしたはずだ。
「そうですね。この前、ヒカリさんが言ってました。『宗介さんはとっても優しい』って」
「・・・・・・何、言ってんだよ、あいつ」
急にヒカリの名前を出されて、内心激しく動揺してしまった。
「もう、この前の部活の時、色々ノロケ聞かされちゃって大変だったんだよ!ね?怜ちゃん」
「ええ!」
「・・・色々ってなんだ」
なにペラペラ話してんだ、あのバカ、と思いながらも恐る恐る聞いてみる。てか、こいつら部活中になんてこと話してやがんだ、ちゃんと活動しろ。
「え?それはぁ!宗ちゃんがヒカリちゃんといっつも手をつな「いや、いい。やっぱいい。話すな」
とんでもないことを葉月が言うことが予想できたので、慌ててその言葉を途中で遮った。