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いちご☆恋模様 PART2

第35章 ジンベエザメの試練 番外編


「ヒカリ、そっちの列のお肉、全部裏返して!」

「はいっ!あ、お父さん、新しいお肉並べて!」

「了解。あ、お母さん、そこら辺のお肉食べごろだから宗介くんにとってあげて。はい、取り皿」

「はいはい・・・・・・っとこれぐらいかしら。はい、宗介くん!やっぱり、若い男の子はお肉よね?」

「あ、あー、はい・・・ありがとうございます・・・」


さっきから俺の目の前では今まで見たこともないような光景が繰り広げられている。
キッチンのテーブルいっぱいの、こんなでかいのどこに売ってんだよ夜店でしか見たことねえよ、ってぐらいにでっかい鉄板。そして長島家による流れるような連携プレー。一枚の肉も一欠片の野菜も焦がして無駄にすることなく、すべての食材がちょうどいい焼き加減で皿に載せられ、そして口の中に消えていく。
何か手伝ったほうがいいんだろうか、とも最初は思ったが、俺が入ることでかえって邪魔になりそうな気がして(いや実際は入り込む隙間がなかったと言った方が正しい)俺はただひたすらヒカリ達の見事な連携プレーを見て、目の前に差し出される肉や野菜を平らげていった。





「はい!宗介さん、お肉です。あ、野菜もちゃんと食べなきゃですよね。はい、どうぞ!」


隣に座っているヒカリが俺の前に置いてくれた皿。その上にはこれでもかというほど、肉や野菜が載せられている。いや、最初の方はそれでもよかった・・・だけどもう鉄板焼きを始めてから3,40分が経とうとしている。
食事中、みんなが鉄板に集中しているからか、俺も言葉に詰まったりすることなく、ヒカリの親と軽めの会話を交わすことができていた。だが、と言うか何と言うか、腹の方はもう限界が近い。取ってくれたものを残すわけにもいかねえし、って結構無理矢理食ったところもあったし、ヒカリには悪いがさすがの俺ももう食えない。


「悪い、ヒカリ。俺、もう腹いっぱいで・・・」

「えぇ?!そうなんですか?」


驚いた声を出すヒカリ。見ると、ヒカリの皿には俺の皿以上の肉や野菜が盛られていた。その顔はまったく苦しそうな感じはなく、余裕さえも感じられる。
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