第33章 ふたりの、初めて。 おまけ
・・・やばい。思い出しただけで、また下半身が反応しそうになってきた。
「顔、洗ってくるか・・・」
このままヒカリの寝顔を見てると、本当にどうなっちまうかわからない。ヒカリはまだ起きそうにないし、気分を変えるためにも着替えて顔を洗いに行こうと思った時だった。
「ん・・・そうすけ、さん・・・」
「ヒカリ?」
小さなヒカリの声が聞こえた。目が覚めたのかと思い、立ち上がりかけた身体を元に戻したが、ヒカリはまだ安らかな寝息をたてていた。
・・・俺の夢、みてるのか?
なんなんだよ、こいつ。俺のこと、どんだけ振り回せば気が済むんだよ。
・・・可愛すぎるんだよ。ちっこくてすぐ赤くなって、怒るとピーピーうるさくて、ホント見た目だけだったら完璧にガキなのに。それなのに・・・
「・・・その肉まん、私の・・・食べちゃダメ・・・・・・」
「・・・ぶはっ!」
・・・ああ、やっぱりこいつはガキだ。
よくわかんねえけど、俺がヒカリの肉まんをとっちまったんだろうか。その夢の内容も、あまりにヒカリらしくて、笑いが止まらなくなる。
・・・よかった。こいつはこれでいい。
ほっと一息つくと、今度こそ俺はベッドから立ち上がろうとした。その時だった。
「・・・そうすけさん・・・だいすき・・・・・・」
「っっっ・・・!」
再び、ヒカリの口から聞こえた小さく甘い声に、俺の動きが止まった。
・・・前言撤回。やっぱりこいつは俺を煽る天才だ。
ヒカリの全部が、俺の理性をぶっ壊す、振り回す。
「俺も・・・・・・好きだ、ばーか」
一気に限界まで熱くなった顔と身体をごまかすように、急いでベッドから立ち上がった。