第32章 ふたりの、初めて。 その9
「んっ・・・・・・んんっ・・・ん・・・・・・」
背が高い宗介さんとのキス。だんだん首が痛くなってくる。足だって今にもつってしまいそう。宗介さんも腰痛い、とか思ってるのかな。
でも、それでもいい。キスしていたい。だって宗介さんのことが大好きだから。きっと宗介さんも私とおんなじ気持ちなんだって信じられる。
遙先輩の家の前なのに、誰か来たらどうしようとか、そんなことはもう頭からは消えてしまっていた。宗介さんのことしか考えられない。
昨日から、私達何回キスしたんだろう?数えきれないぐらいしたのに、それでもまだ足りない。キスする度に、宗介さんを大好きって気持ちがどんどん大きくなっていく。
「ん・・・・・・あ、あの・・・」
時間がわからなくなるぐらいキスをして、宗介さんの唇が少しずつ離れていく。
もういい加減やめなきゃいけないのはわかってる。でも・・・
「・・・もう一回、だろ?」
「へ?」
「・・・お前が言いたいことぐらいわかる」
もう一回なんてねだったらワガママかな、って思ったけど宗介さんには私の気持ち、お見通しだった。嬉しくって少し笑って目を閉じると、すぐに唇にあたたかさが広がった。
「ん・・・・・・宗介さん、そろそろ・・・へ?」
そろそろ遙先輩のおうち行きましょう、って言おうとしたら、宗介さんの両手が私の頬を包み込んだ。
「・・・今度は俺がもう一回・・・・・・」
「・・・ふふふ」
「んだよ、笑うなよ・・・」
やっぱり今日の宗介さんは小さい子みたい。笑みがこぼれて、そんな私を見て宗介さんは少し拗ねた顔になる。
「だって・・・」
「・・・・・・ヒカリ・・・好きだ・・・・・・」
「私も、好き・・・・・・」
もっと笑いそうになっちゃったけど、小さく囁かれた宗介さんの言葉に顔が、身体がもっと熱くなっていく。そっと目を閉じてもう何度目になるかわからない宗介さんからのキスを待・・・・・・
「・・・お前ら、ハルんちの前で何やってんだよ」
「あはは・・・相変わらず仲いいね」
凛さんと江先輩の声が聞こえて、私と宗介さんは一瞬でバッと身体を離した。