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いちご☆恋模様 PART2

第32章 ふたりの、初めて。 その9


「えっと・・・パーティーも控えてるので5個でお願いします!」

いろいろ考えて、これぐらいなら午後に響かないかな、って個数を伝える。すると・・・

「・・・ぶはっ!っはははは!」

宗介さんは一瞬ぽかんとした後に、盛大に噴き出した。

「へ?!な、何がおかしいんですか?」
「いや・・・わるいわるい・・・ははは!」
「もう!宗介さんが聞いたんですよ?」
「んな、怒るな。悪かったって。ヒカリらしいなって思ったんだよ・・・わかった。卵5個だな」
「んっ・・・も、もう・・・」

相変わらず失礼な宗介さんだけど、その大きな手が私の頭にぽんぽんと軽く触れる。それだけで、怒ってた気持ちなんてどこかに行っちゃうんだから、やっぱり宗介さん、ずるいなって思う。




「そんじゃ、ゆっくり着替えて降りてこいよ」
「はい・・・・・・あ!」

部屋のドアに向かって歩いて行く宗介さん。今日はどの服にしようかな、なんて思ってパジャマのボタンに手を伸ばしかけた私だったけど、あることに気付いて思わず声が出てしまった。


「ヒカリ?どうかしたか?」
「あ・・・え、えっと・・・私のパジャマって、その・・・宗介さんが着せてくれました?」


昨日の夜脱いだ・・・というか宗介さんに脱がされたパジャマ。最後の方はもうあまり記憶がないけど、確か何も着ないまま眠ってしまった気がする。


「・・・おう。またお前に風邪ひかせたくなかったしな」


きっと照れくさいんだと思う。宗介さんは少し私から視線を逸らしながら、ぼそっと言った。
よくよく見たらボタンの掛け違いもあるし、それによくよく考えなくても宗介さんに服を着させてもらうなんて、すごく恥ずかしいことだ。だけど、宗介さんの優しさにじんと胸があったかくなっていくのを感じた。


「・・・ふふ、ありがとうございます。宗介さん」
「・・・・・・おう」


宗介さんの視線は逸らされたまま。だけど、宗介さんの頬が赤くなっているのが、私にははっきりとわかった。
こんな風に照れてる宗介さんの顔、今は私がひとりじめできるのがすごく嬉しい。
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