第31章 ふたりの、初めて。 その8
「・・・なんで、我慢なんてするんですか?私・・・平気なのに。宗介さんにだったら壊されたって、何されたっていいのに・・・」
囁くような声でそう言いながら、ヒカリの手が俺の頬に触れる。そして、その唇が俺の唇にそっと重なった。
「っっ・・・!」
「・・・・・・・・・んんっ、んん・・・」
ゆっくりとヒカリの唇が離れていく。だけどその熱を逃がしたくなくて、再び強く抱き寄せ、少し濡れている小さな唇を塞いだ。
「・・・お前、ほんっと・・・・・・」
「ふ、ぅん・・・んん・・・ん・・・・・・」
一度抱けばこの胸に渦巻く衝動も収まると思ってた。だけど、一度抱いたら止まらない。何度でも抱きたくなる。吸い付くように柔らかい肌も、俺が少し触れただけで漏れる甘い声も、俺にしか見せない女の顔も、何度でも味わいたくなる。一回、二回で足りるわけがない。
「っ・・・宗介さん・・・」
「・・・宗介でいい」
「・・・・・・宗介」
「・・・ヒカリ・・・・・・」
離れた唇がまた重なり合う。何度でも何度でも、お互いがお互いを求めて、離れては触れてを繰り返し、やがて深く絡み合う。
色々なことがあって長い一日だったけれど、俺とヒカリの夜はまだ終わりそうになかった。