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いちご☆恋模様 PART2

第31章 ふたりの、初めて。 その8


「・・・ううん、行かない。だって・・・宗介さんとこうしてたいから・・・・・・」


テレビを見ているヒカリの表情から、行きたいと言うと思っていたが、またしても俺の予想は裏切られることになる。ヒカリが俺の腕にぎゅっと抱きついてきて、すぐに柔らかな胸の感触が伝わってきた。その感触に、さっき見て触れたヒカリの胸がリアルに思い出されてしまう。


「っっ!!・・・あ・・・あー・・・そうだ。ちょっといいか」
「へ?は、はい・・・」


半ば強引にヒカリの腕を振り払うようにして、俺はソファーから立ち上がった。ヒカリは少し不満そうな顔をしていたが、このままでいると理性がぶっ壊れて、ヒカリを押し倒してしまいそうだった。




「これ・・・お前にやる」


上から持ってきた自分の荷物の中から、綺麗に包装されたそれを手にとってヒカリに差し出す。


「へ?・・・あ、あの・・・」
「・・・クリスマス、だし・・・ほら」
「わ!え、えっと・・・あ、ありがとうございます・・・開けてもいいですか?」
「おう」


始めは戸惑っていたヒカリだったが、半分強引に押しつけるようにそれを渡すと、素直に受け取った。


「・・・わああ!可愛い!!」
「・・・お前、首元寒そうだったから・・・」


正直、ヒカリが気に入るかどうか少しの不安もあったが、それを見てヒカリはキラキラと瞳を輝かせた。今日ショッピングモールで思わず足を止めたそれは、真っ白いマフラーだった。


「嬉しいです!ありがとうございます、宗介さん!」
「・・・おう」
「出かける時、絶対これつけます!ふふ!」
「・・・おう、そうしろ。首から風邪ひくって聞いたことあるし、また風邪ひいても困るしな」


女の欲しい物なんてよくわからないし、本当はショッピングモールでヒカリが気に入ったものをプレゼントしようと思っていた。だけど、その白いマフラーを見て、ひと目でヒカリによく似合いそうだと思った。ぐだぐだと言い訳じみた言葉を並べてみたが、選んだ本当の理由はそれだった。
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