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いちご☆恋模様 PART2

第30章 ふたりの、初めて。 その7 ※


「なあ、ヒカリ・・・・・・身体、平気か?」

ただ温もりに身を委ねて、そういえばいつの間にか毛布の中にいるから宗介さんが掛けてくれたんだなあ、なんてぼんやり考えていたら、宗介さんの気遣うような声が聞こえた。


「あ・・・え、えっと・・・」


本当は宗介さんに心配かけたくない。だけど、嘘もつきたくない。そんな思いから、私は正直に今の自分を伝えることにした。


「へ、平気って言いたいんですけど・・・でも、やっぱり色んなところが痛い、です・・・あ、あの・・・特に、あそこ、とか・・・・・・」

「・・・・・・」


・・・どうしよう。素直に言ったら、宗介さん考え込むようにして黙ってしまった。

・・・さっきみたいにまた宗介さんに謝らせちゃうのかな。『ごめん』とか『悪かった』なんて言われたくない。だって、痛いのは本当だけど、私すごくすごく・・・・・・




「・・・ありがとう、ヒカリ」




ぎゅうっと少し痛いぐらいに宗介さんの腕が私を抱きしめてくれた。触れ合ったところから全部、宗介さんの想いが伝わってくるみたい。『ありがとう』短いただそれだけの言葉なのに、それが私の心にじんと広がって、また涙がこぼれそうになる。




「・・・わ、私も!・・・ありがとう、宗介さん・・・!」




だけど、こんな時にまで泣きたくなくって涙を必死に我慢して、私も宗介さんに心からの気持ちを伝えた。宗介さんが私にしてくれてるみたいに、私も宗介さんの背中に腕を回して強く抱きつく。1ミリも宗介さんと離れてたくない。ぴったりくっついていたい。




・・・ううん、そうじゃない。ただもうこうしていることが当たり前のような気がする。




・・・天方先生が言ってたこと、本当だった。大好きな人と結ばれるのって、本当に素敵で、こんなにも幸せなことだったんだ。





「・・・ヒカリ」
「ん・・・宗介さん・・・」

宗介さんが少し腕の力を弱めて、その大きな手が私の頬に優しく触れる。そうすることが決まっていたみたいに、小さく笑い合って、私達の唇が重なった。
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