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いちご☆恋模様 PART2

第30章 ふたりの、初めて。 その7 ※


「んっ・・・ん・・・ふふ。もう、くすぐったいですよ、宗介さん」

髪におでこに頬に、宗介さんがたくさんキスしてくれる。ちゅっ、ちゅっとまるで小さい子にするみたに、優しく甘やかしてくれるみたいなキス。少しだけいやがって見せたけど、本当はいつまでだってしててほしい。


「はっ・・・なんだよ。さっきみたいに宗介って呼べよ」
「へ?!」

甘い甘い時間の中にいたのに、宗介さんの言葉に一気に現実に戻されてしまった気がする。優しく私の髪に触れながら、でも少しだけいつもみたいないじわるな顔をして宗介さんが言う。


「さっき、宗介って言ってたろ。俺のこと」
「い、いえ!あ、あれはもうなんか夢中で・・・え、えっと・・・」


そう、確かに宗介さんの言ってる通り。私、さっき宗介さんのこと『宗介』って呼んでた。でも本当に夢中で、言われなければ思い出さないぐらいだったのに・・・


「もういいだろ、さん付けなんてしなくても。敬語も別に使わなくていいし」
「えぇ?!」


いきなり何を言い出すんだろう、この人は。確かに今日、大きく私達の関係が進んだけれど、そんなにいきなり何もかも飛び越えられるはずないのに。



「・・・ほら、宗介って言えよ」



こんな時の宗介さんがすごくすごくいじわるなのは、私が一番よく知ってる。絶対に逃してなんてくれない。その証拠に、私の頬に宗介さんの手が添えられていて、視線をそらすことも許してくれない。


・・・本当に本当に、この人っていじわるだ。


だけど・・・



「そ・・・宗介・・・だ、だいすきっ!・・・ず、ずっと宗介とこうしてたい・・・っ・・・!!」



そんないじわるで、とびきり優しいこの人のことが大好きなんだから仕方ない。その想いをしっかりと目を見て伝えて、でも最後の方は恥ずかしくてどうしようもなくなってしまって、逃げるように広い胸に顔を埋めた。
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