第30章 ふたりの、初めて。 その7 ※
痛い嬉しい苦しい熱い好き大好き。
今まで経験したことがないような感情の波に押しつぶされてしまいそうで、必死に宗介さんの背中にしがみついていた。
ひりひりするようなあそこの痛みと、お腹の中全部が宗介さんで埋め尽くされてるような圧迫感とで、身動きがとれない。呼吸の仕方だってよくわかんない。
それなのに・・・なんでこんなにも胸が熱くて幸せなんだろう。
「・・・っはぁ・・・はぁ・・・」
すぐ側に宗介さんの荒い呼吸を、そして重なり合った身体からは宗介さんの激しい鼓動を感じる。すごくつらいはずなのに、宗介さん、また私のために我慢してくれてる。
・・・大好き。大好きだからもう・・・・・・
「そ、宗介さん・・・」
「・・・どうした?」
「わ、私、もう平気だから・・・あの・・・その・・・」
「・・・ああ、わかった・・・」
「んっ・・・」
どんな風に伝えたらいいんだろう・・・口ごもっていたら、宗介さんはすぐにわかってくれた。おでこに軽くキスしてくれて、宗介さんが少し上半身を起こす。
きっとどれだけ待ってもこの痛みと圧迫感はなくなってくれないだろう。だったら、もういい。痛みも何もかも、宗介さんが大好きって気持ちと溶け合っちゃえばいい。きっと平気。どんな風になったって、宗介さんとなら平気。
「・・・痛かったら言えよ」
「っ・・・は、はい・・・」
宗介さんが私の髪を撫でながら言ってくれる。こんな時まで宗介さん、優しい。宗介さんの背中に回している手に、ぎゅっと力を込めた。
「・・・んっ・・・はぁっ・・・んんっ・・・はぁ・・・」
ゆっくりと腰を引いて、押してを宗介さんが繰り返していく。最初の時ほどの痛みはないけれど、宗介さんが腰を押しつける度に、やはり痛みと苦しさがやってくる。だけどもう宗介さんに我慢してほしくないから、私は必死にそれをやり過ごす。
「そ、そう、すけさんっ・・・!」
「・・・っはぁ・・・どうした?・・・はぁ・・・」
私が名前を呼ぶと、宗介さんが動きを止めてくれた。宗介さんのおでこに汗が伝っているのが見えた。
「っ・・・宗介さんは、き、気持ちいいですか?」
こんなこといちいち聞くことじゃないのかもしれない。でも、私の身体で宗介さんが気持ちよくなってくれてるのか、どうしても知りたかった。